タイ社会保障事務局 巨額スーツ予算とダミー工場疑惑で揺れる信頼
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現在、タイの社会保障事務局(SSO)による予算執行の透明性をめぐり、国民の間で大きな波紋が広がっています。
事の発端となったのは、今年度の新たな予算計画でした。事務局は、約7,000人の職員用制服(スーツ)を新調するため、総額3,500万バーツ(約1億5000万円)もの予算を承認しました。
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しかし、多くの被保険者が医療サービスや補償の充実に課題を感じている中での決定でした。そのため、「優先順位が誤っているのではないか」「保険料の無駄遣いだ」という批判の声が、SNSを中心に一気に高まりました。
この現在の予算に対する不信感は、やがて過去の調達契約への厳しい監視へと飛び火することになります。
その調査過程で、衝撃的な事実が発覚しました。かつて合計1億1700万バーツ(約5億円)以上のスーツ仕立て業務を受注していたある民間企業が、商務省のデータ上では2010年からすでに廃業扱いとなっていたのです。
報道陣がその登録住所を実際に訪れたところ、そこは人の気配のない荒廃した建物でした。このいわゆる「ダミー工場」が、過去数回にわたり入札審査を通過し、官公庁と契約を結べていたことに新たな疑惑が浮上しています。
これに対し、渦中の企業オーナーは「工場は別の場所に移転して稼働しており、業務は契約通り正当に行われた」と釈明しました。
事務局側も手続きは規定通りであると主張していますが、公的な登録情報と実態の乖離についての疑問は解消されていません。
現在の巨額予算への不満と、過去の不透明な契約問題。この二つが重なり合ったことで、社会保障基金の管理体制に対する国民の信頼は、今大きく揺らいでいます。





















