アヌティン首相 カンボジア国境発言で謝罪「国民に混乱招く」
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タイのアヌティン・チャーンウィーラクーン首相兼内務大臣は10月28日、タイ・カンボジア国境に関する自身の発言が国民に混乱を招いたとして、公式に謝罪しました。
問題となったのは、アヌティン首相が国境付近の「重複する領有権主張地域(係争地域)」について説明した際の発言です。首相は、公正な管理の必要性を説明する中で、比喩的に「タイ側もカンボジア領土にはみ出している部分がある」といった趣旨の発言をしました。
この表現が、タイがカンボジアの主権を侵害していると認めたかのように受け取られ、国内で波紋を呼んでいました。
これに対し、アヌティン首相および首相府報道官は、発言の真意を次のように釈明しました。
1. 主権侵害の意図はない: 発言は、タイがカンボジアの主権を侵害したと認める意図では全くなかった。
2. 係争地域の言及: あくまで、サケーオ県のノーンジャーン村付近などに存在する、両国が領有権を主張する「係争地域」の管理について言及したものである。
3. 公正な解決の必要性: 首相の意図は、「もし協議の結果、我々の土地が彼らの土地に重なっていると判明すれば、我々も下がる。同様に、彼らが我々の土地に重なっていれば、彼らも下がらなければならない」という、両国間の公正な問題解決の必要性を強調するものだった。
アヌティン首相は、言葉の選択が国民に誤解と混乱を招いた点について謝罪しました。
現在、両国間では、国境地帯における重火器の撤去、地雷の除去、詐欺グループの共同取締りなどを含む新たな平和協定に向けた協議が進められています。今回の発言は、その交渉の文脈の中で行われたものでした。





















