タクシン元首相がタイに帰国 注目される「14階事件」の判決の行方
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タクシン・シナワット元首相が2025年9月8日、タイに帰国しました。その主な目的は、9月9日に最高裁判所政治職者刑事部が下す判決を法廷で聞くためです。この判決は、社会的な注目を集めている「14階事件」として知られる、同氏の警察病院での収監外治療が合法であったか否かを決定づけるものです。
タクシン氏の今回の帰国は、数週間前に健康上の理由でタイを出国して以来、政界および国民のあらゆる方面から注視される中で実現しました。同氏は、自身の判決を直接法廷で聞くために必ず帰国すると常に明言していました。
「14階事件」は新たな訴訟ではなく、タクシン氏に科された禁錮1年(恩赦により8年から減刑)の刑の執行が、法律および矯正局の規則に則って適正に行われたかを審査する最高裁の審理手続きです。
この事件の核心は、タクシン氏が2023年にタイに帰国した初日から警察病院に入院し、一度も刑務所に収監されることなく継続的に治療を受け続けた点にあります。この状況が、矯正局による不当な便宜供与ではないか、また、同氏が判決通りの刑に服したと見なせるのかという疑問を社会に投げかけ、裁判所への申し立てにつながりました。
裁判所は、収監外での治療の必要性や各種許可手続きの正当性を判断するため、治療にあたった医師や矯正局の職員を含む関係者への証人尋問を行ってきました。
最高裁が9月9日に下す判決は、タクシン氏の身の上に直接影響を与えるだけでなく、司法プロセスや政治の安定性に対するイメージにも影響を及ぼす可能性があります。判決の行方は、主に以下の2つのシナリオが予測されます。
1. 裁判所が矯正局の措置を「合法的」と判断した場合:タクシン氏の病状が、刑務所内にはない専門医や医療機器による治療を必要とするものであり、かつ矯正局の許可手続きが規則に則ったものであったと裁判所が判断した場合、同氏が警察病院で過ごした期間は適法な服役期間と見なされます。すでに仮釈放が認められていることと合わせ、保護観察の条件下で自由の身となる可能性があります。
2. 裁判所が矯正局の措置を「非合法的」と判断した場合:タクシン氏の病状が長期間の収監外治療を必要とするほどのものではなかった、あるいは矯正局のプロセスに瑕疵があったと裁判所が判断した場合、残りの刑期に服すため刑務所に収監するよう命じる可能性があります。このシナリオは、タクシン氏自身とタイ貢献党に深刻な影響を与え、再び政治的な緊張を高める要因となり得ます。
したがって、判決を直接聞くために帰国した今回のタクシン氏の行動は、タイ政治史における重要な一ページとして刻まれることとなり、すべての関係者が9月9日の判決を固唾を飲んで見守っています。





















