会計検査院が「透明性ランキング」で1位に選出 新本部ビル崩壊事故の渦中で社会から疑念の声
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タイの会計検査院(SAO)が、独立機関を対象とした2025年度の「清廉性・透明性評価(ITA)」において、最高得点の94.64点を獲得し、最も透明性の高い組織として第1位に選ばれました。しかし、この発表は国民から称賛されるどころか、大規模な建設工事をめぐる疑惑の最中にある同院に対する厳しい批判と疑念の声を巻き起こしています。
評価を実施した国家汚職防止制圧委員会(NACC)によると、今回の結果は政府機関のガバナンスと透明性を測る指標に基づくものです。しかし、多くの国民にとってこの評価は、今年3月に発生した、ミャンマーを震源とする地震の影響で同院の新本部ビル(当時建築中)が倒壊した事故という現実と著しく乖離しています。
この事故は、20億バーツ(約90.9億円)以上にのぼる建設プロジェクトの入札や建設過程における不正・不透明性をめぐる疑惑を浮上させました。皮肉にも、会計検査院は他の政府機関の予算執行の透明性を監視・監査する役割を担っています。その本丸であるべき自身のプロジェクトで重大な問題が発生したことで、今回の「透明性第1位」という評価の正当性が厳しく問われている形です。
SNSや国内報道では、「自らの足元が揺らいでいる組織が、どうして最も透明性が高いと言えるのか」「評価指標と国民感情がかけ離れすぎている」といった批判が相次いでいます。
この批判に対し、会計検査院は声明を発表。評価は内部関係者、外部関係者、そして情報公開の3つの側面から構成されていると説明し、外部関係者からの評価の一部項目で基準を下回ったことを認め、改善に努める姿勢を示しました。
しかし、同院の新本部ビル崩壊事故の原因究明と責任の所在が明らかにならない限り、会計検査院が獲得した「透明性第1位」の称号に対する社会の疑念が晴れることはないとみられます。





















