タイ人女優テンモー ボート転落死事件の再現 ボランティア全員が無傷
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タイの有名女優であるテンモー・ニダー・パッチャラウィーラポン(Tangmo Nida Patcharaveerapong)さんは、2022年2月24日にチャオプラヤー川でのスピードボートからの転落事故により37歳で亡くなりました。
当時、テンモーさんは友人やマネージャーと共にボートに乗船しており、ボートの後部で用を足そうとした際に誤って転落したと報告されています。しかし、この説明には多くの疑問が呈され、同乗者の証言の信憑性や事件の状況に不審な点が指摘されました。
このため、テンモーさんの水死事故を再現し、事故死の主張に異議を唱える試みが行われました。この再現は、テンモーさんの死が単なる事故ではなく、計画された殺人である可能性を示すために行われました。
動画:https://youtu.be/IXV5AesSn6c
今回の再現は、独立弁護士で犯罪被害者を支援する団体の代表であるアチャリヤ・ルアンラッタナポン(Atchariya Ruangrattanapong)氏と、ランシット大学東洋医学部の学部長であるパンテープ・ウォンプアパン(Panthep Wongpuapan)氏が共同で主催しました。
2025年1月16日、チャオプラヤー川のリバーラインホテル近くの桟橋で、事件の再現が行われました。再現では、テンモーさんの役を演じるボランティアが、ボートの後部で用を足す姿勢を取りながら、容疑者の一人であるサンドさんの役を演じるボランティアの脚を掴むよう指示されました。その後、テンモーさんの役を演じるランティアは故意にボートの後部から転落し、容疑者が証言したようにプロペラで傷を負うかどうかを検証しました。
この再現は7回行われ、7人のボランティアが1回あたり約10~15分をかけて実施しました。すべての再現は救助チームによる厳重な安全管理のもとで行われました。その結果、どのボランティアもプロペラによる傷を負うことはなく、けがも一切ありませんでした。
さらに、すべてのボランティアは「ボートの後部で用を足すのは非常に難しい」と意見を一致させ、「陸に上がるまで我慢する方が良い」と述べました。
2025年1月17日、アチャリヤ氏は、事件再現から得られたと主張する証拠書類や関連証拠を特別捜査局(DSI)に提出し、テンモーさんの死亡事件の捜査報告書作成に関与した国家機関の職員に対して法的措置を求めました。同氏は、この捜査報告書には疑わしい点があり、被告側を不当に有利にする行為が行われた可能性があると主張しています。また、この事件を特別事件としてDSIが正式に受理するよう要請しました。
DSIに訴えた理由について、アチャリヤ氏は、警察組織である汚職防止および悪行防止司令部(PACC)に対する信頼が低いため、最初にそちらではなくDSIのところに来たと述べました。また、国家汚職防止委員会(NACC)に訴えなかった理由として、まずは事実調査が必要だと考えたためであり、調査が行われていない段階で訴えても意味がないと考えたと説明しました。
一方、DSIの広報担当者は、この事件を特別事件として受理するかどうかについてはまだ答えられないと述べました。現在、事実関係および提出された証拠の精査が必要であり、一定の時間がかかるとのことです。
