カンボジアが「反逆罪」での国籍剥奪を認める法案を可決 外国との共謀も対象に
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カンボジアの国会は2025年8月25日、国家反逆罪または国の利益に反する外国勢力との共謀罪で有罪判決を受けた個人の国籍を剥奪する権限を政府に与える新法案を、全会一致で可決しました。
この法案は、フン・マネット首相を含む出席議員120人の満場一致(賛成120、反対0)で下院を通過しました。今後、上院での審議と国家元首による署名を経て正式に発効する予定ですが、これらは形式的な手続きと見られています。
今回の国籍法改正は、今年7月に行われた憲法第33条の改正に伴うものです。この憲法改正により、クメール国籍の取得、喪失、剥奪に関する基準を定める法律の制定が可能になりました。
カンボジア政府のコアット・リット法務大臣は、この法律が国家の安全保障、主権、そして国益を守るために必要であると説明し、「国を裏切るならば、国もその者を国民として留めてはおかない」と述べました。政府は、この法律が国家への反逆行為を行った者にのみ厳格に適用され、法を遵守する一般市民が懸念する必要はないと強調しています。
一方、国内外の人権団体は、この法案に対して深刻な懸念を表明しています。アムネスティ・インターナショナルなどの団体は、これを国際法への重大な違反であると非難しました。
批判的な意見では、法案における「国家への反逆」や「外国との共謀」の定義が曖昧で、恣意的な解釈の余地が大きすぎると指摘されています。これにより、政府が政敵や活動家、反体制派を弾圧するための政治的道具として利用される可能性があるとの懸念が示されています。
さらに、国籍の剥奪が個人を無国籍状態に陥らせる可能性があり、これは国際的な人権原則に反するだけでなく、影響を受ける個人の基本的な権利に関する問題を引き起こしかねないという懸念も提起されています。
主要な野党が解党され、反体制派の政治家が国家反逆罪で訴追されるといった近年のカンボジアの政治的背景は、この新法が政府の権力基盤を強化し、反対勢力の政治的活動の場をさらに狭めるための新たな手段となるのではないかとの不安を一層強めています。





















