中国人4人を逮捕 崩壊したビルから無許可で書類を持ち出し
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2025年3月28日、ミャンマーのサガイン断層でマグニチュード8.2の大規模な地震が発生しました。その影響で、バンコクのチャトゥチャック区に建設中だったタイ国家会計検査院(State Audit Office of the Kingdom of Thailand)の新庁舎ビルが崩壊し、死亡者や瓦礫の下に閉じ込められた人もいました。
このビルの崩壊は大きな批判を呼び、多くの人が「バンコクには数百もの高層ビルがあるのに、なぜこの建物だけが崩壊したのか?」と疑問を呈し、建設基準や多額の予算が投じられたプロジェクトの透明性が問われています。
その後、この建設プロジェクトはItalian-Thai Development Corporation Limited (ITD) 社と、中国の国有企業であるChina Railway No.10 Engineering Group (CREC) 社が共同で請け負っていたことが明らかになりました。
以前、CREC社は自社のオンラインプラットフォーム上でこの建設プロジェクトを「中国の建設技術が海外市場で示した誇るべき成果」と宣伝していました。しかし、ビルが崩壊した後、同社はこのプロジェクトに関するすべてのプレスリリース、建設中の写真などを即座にSNSから削除しました。
そして3月29日、4人の中国人男性がビルの裏側から許可なく32点の書類を持ち出そうとしたことが発覚しました。バンコク都知事はこのエリアを立ち入り禁止区域と指定しており、無断での立ち入りは禁止されていました。
警察は通報を受けて捜査を開始し、現場近くで1人の中国人男性を発見しました。この男性は「建設プロジェクトの責任者だ」と主張しました。警察が取り調べとともにビザや労働許可証、パスポートを確認したところ、労働許可証は正式なものであり、この4人はITD社と共同事業を行っている企業の従業員であることが判明しました。
押収された32点の書類には、建設請負業者関連の書類、RFI(情報提供要求書)のコピー、説明文書、一般工事検査通知書、意見照会や回答書類、下請け業者に関する書類、電気・輸送システムのエンジニアリング関連資料などが含まれていました。
取り調べの結果、4人の容疑者は「ITD社関連の下請け会社の従業員で、保険請求のために必要な書類を回収しようとした」と供述しました。書類は会社の仮設エリアである駐車場のコンテナ内に保管されていましたが、正式な許可を得ずに持ち出そうとしていました。
現在、チャトゥチャック区事務所は 防災・災害対策法 に基づき、この4人を刑事告発するための書類を準備中です。また、書類の持ち出しを指示した人物についても捜査が進められています。
中国人4人がビルから書類を持ち出している時の動画:https://www.youtube.com/shorts/o-l-qt82e1Q
