有力政治家の息子によるBMWあおり運転事故 被害者重傷 世論が怒り
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2025年4月16日、パトゥムターニー県ラムルッカ郡の道路で、BMW車がピックアップトラックの前に割り込む事故が発生し、トラックがバランスを崩して道路脇のバリアに衝突しました。
この事故により、ピックアップトラックを運転していた65歳の男性は肋骨を6本骨折し、胸骨も折れ、肺に損傷を負ってICUに搬送されました。同乗していた64歳の妻は精神的ショックにより不眠症を訴えています。
この出来事は、現場に居合わせた車のドライブレコーダーによって記録されており、事故後にBMWの運転手が車を降りて、夫婦に激しく罵声を浴びせている様子が映されていました。この映像はSNSで急速に拡散され、激しい批判を巻き起こしました。
動画:https://youtu.be/5-efzRB7ehM
後に、BMW車の運転手はスミティパット・リーナワラット氏、愛称ピーチ(28歳)で、タンヤブリー町の市議会議員選挙の立候補者であり、現タンヤブリー町長クリッサダー・リーナワラット氏の息子であることが判明しました。リーナワラット一家はこの地域で長年にわたり影響力のある地方政治一家です。
ピーチ容疑者、警察に出頭し4つの容疑を認める
4月18日、ピーチ容疑者はラムルッカ警察署に出頭し、以下の4つの容疑について説明を受けました。
・他人に重傷を負わせる傷害罪
・身体または精神に危害を加える傷害罪
・他人の財物を損壊した罪
・安全を顧みずに運転した罪
また、ピーチ容疑者は事件当日は動揺しており被害者を見舞うことができなかったと説明し、逃亡の意図はなかったと強調しました。そして、社会に対してチャンスを与えてほしいと訴えました。
ガン・ジョームパラン、被害者を見舞い正義を求める
社会の不正義に声を上げる著名なインフルエンサーのガン・ジョームパラン(Kan Jompalang)さんは、病院で被害者の夫婦を訪問し、一部の医療費を支援しました。
さらに、被害者家族から正式に代理権を得て、事件の進行状況を追跡し、正義を求めることを表明しました。また、事件処理のスピードや、背後にいる権力者の司法への影響の可能性にも懸念を示しました。
ピーチ容疑者と父親、謝罪に訪れるも拒否される
4月20日、ピーチ容疑者とその父親は、200,000バーツの医療費と共に病院で被害者夫婦を訪問し、謝罪と責任を果たそうとしましたが、被害者家族は面会と金銭の受け取りを拒否しました。家族は「謝罪に誠意を感じられない」と述べ、なぜ事故後数日経ってから訪れたのかという疑問も呈しました。
モンコンキット議員、ガンさんに撤退を勧告
民主党の顧問であるモンコンキット・スックシンタラーノン(Mongkolkit Suksintharanon)議員は、Facebookにてガンさんに対し、本件から撤退すべきと警告しました。さもなければ、背後の権力者が黙っていないと述べ、「自らの命を守り、家族や他の市民のために尽くすべき」と助言しました。
ガン・ジョームパラン、一歩譲歩し相手に責任を取る機会を与える
4月21日、ガンさんは対立を避けるために一歩譲歩し、ピーチ容疑者が真摯かつ具体的に責任を取る機会を与えると発表しました。氏は争いを望んでおらず、ただ公正な結末を被害者に届けたいだけだと強調しました。
