タイでAPEC開催期間中のデモ隊 プラユット首相が主催者であると認めず
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タイ首都のバンコクで、APEC(アジア太平洋地域経済協力)首脳会議が開催されていると同時に、バンコク内で大規模な反政府グループによるデモが行われました。
今回のデモは、APEC自体を反対するわけではなく、プラユット氏が首相を務めているタイがAPECの主催者であることを認めないことを理由としてを含め、APECのテーマでもある「BCG(バイオ・循環型・グリーン)経済モデル」に反対するために行われています。
また、今まで行われていた反政府デモのように、不敬罪を規定した刑法112条の改正あるいは削除や、プラユット首相の辞任などの要求も含まれています。
※BCG (Bio-Circular-Green Economy) とは、世界的な潮流である「持続可能性」に配慮した経済発展により、国内産業の国際競争力の向上・コロナ禍からの経済復興を目指す政策です。重点産業は、食品・農業、医療・健康、エネルギー・バイオ化学、観光の4つとなります。
タイ政府がこの政策を進めており、APEC諸国に対しても、開催される多くの議論の中でも積極的に採り上げ、推進しようとしていますが、コスト面や技術面での課題、また排出権取引などの制度整備もまだまだ未成熟などのため、それに反対して今回のデモが行われています。
11日17日午後12時頃、アソーク交差点で反政府グループによる150人ほどの抗議集会が行われ、その場からAPECの会場であるクイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センターに向かって行進が行われました。
13時頃、クイーン・シリキット・ナショナル・コンベンション・センターに到着したデモ隊が、その場で待機中の警察に、プラユット首相による意見の相違を持つ者に対する人権侵害や職権濫用などの不正行為を示す書類をAPECに出席する国家首脳に提出することを要求していました。
13時40分頃、警察の障害のため、国家首脳に書類提出をできなかったデモ隊は、112条の改正あるいは削除や、プラユット首相の辞任などの要求書類を音読した後、書類を破り、デモを解散しました。
さらに、デモの解散後、物を投げたり、スプレーをかけたりするなど、警察と一部のデモ隊との衝突も報告されたとのことです。
また、11日18日にも、8時頃以来、アソーク交差点からクイーンシリキット・ナショナル・コンベンションセンターに向かって反政府デモの行進が行われる発表されています。