タイで国王直属の軍部隊基地前で若者たちが抗議活動
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タイで反政府デモを続ける若者たちは29日、ワチラロンコン国王直属の軍の部隊の基地の前で抗議活動を行い、軍隊を国民のもとに返すべきだなどと訴えました。王制改革を求める声は一層高まっていて、政権との間で緊張が続いています。
NHKによると、タイでは29日、王制改革やプラユット首相の辞任などを求める若者たちを中心としたデモが続いています。バンコク首都内にある軍の第11歩兵連隊の基地の前で抗議活動が行われ、警察の発表でおよそ2000人が集まりました。
この部隊は去年10月、勅令で指揮系統が陸軍から離れ、国王みずからが指揮権を持つようになっていて、デモ隊のリーダーたちは、「軍の指揮は、人々に選ばれた政府によって行われるべきで、国民主権の侵害だ。軍隊を国民のもとに返すべきだ。」などと訴えました。
デモ隊は、要求の1つである憲法改正が議会で事実上、拒否されたことに反発を強めていて、王室の財産の管理や軍への関与の在り方など、王制改革を求める声が一層高まっています。
一方、政権側は王室に対する中傷を禁じる不敬罪の適用も含め、デモを徹底的に取り締まる方針を示していて、緊張が続いています。
デモに参加した16歳の男子高校生は「国王であってもその行為には透明性があるべきだし、批判されるべきだ。王制を改革して欲しい。」と話していました。