タクシン元首相 フン・セン氏に「衝撃と怒り」音声リークで関係断絶を宣言
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タイのタクシン・シナワット元首相は、カンボジアのフン・セン上院議長が自身の娘であるペートンタン・シナワット首相との電話会談の音声を公開したことに対し、「衝撃を受け、怒りを感じている」と述べ、長年の友好関係の断絶を宣言しました。この問題は、両国の関係に緊張をもたらしています。
タクシン氏は最近、ある講演会でこの問題に初めて言及。「心を傷つけられた」と述べ、かつて緊密な関係を築いてきたフン・セン氏の行動に深い失望を表明しました。さらに、「今日をもって、お互いの名前は忘れることにした」と語り、関係が完全に終わったとの認識を示しました。
複数のメディア報道によると、タクシン氏は事の経緯を説明。娘のペートンタン首相がフン・セン氏からの電話を3時間も待たされた末に行われた会談であり、その音声が意図的に録音され、政治的に利用されたとの見方を示しました。
公開された音声の内容は、国境地域の緊張状態や、タイ政府が強力に推進している特殊詐欺(コールセンター詐欺)グループの撲滅作戦に関連するものでした。この作戦では、フン・セン氏の側近であるカンボジアの著名な実業家、コク・アン氏にも逮捕状が出されています。
タクシン氏は、フン・セン氏を「狡猾だ」と非難し、今回の行動が信頼関係を完全に破壊したと強く反発しました。しかし、この問題が両国間の戦争に発展することはないと断言しました。
フン・セン氏は、タイ当局がタクシン氏と逮捕状が出ている人物との関連を調査するよう、逆にタイ側を挑発する姿勢を見せています。
タイ政府は、会談の当事者であるペートンタン首相は詳細なコメントを避けており、政府は二国間関係の扱いに難しい舵取りを迫られています。
今回の音声リーク事件は、かつて「盟友」として知られたタクシン氏とフン・セン氏の関係に深刻な亀裂を生じさせました。両国政府間の関係にも影響を及ぼしており、今後の動向が注視されます。





















