タイ首相ペートンターンとカンボジア上院議長フン・センの音声が流出 議会の解散等を求める強い圧力に直面
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タイとカンボジアの間で外交的な緊張が高まっている中、タイのペートンターン・シナワット首相とカンボジアのフン・セン上院議長(前首相)とされる人物の会話音声が流出し、両国関係およびタイ国内政治に大きな波紋を広げています。
この音声は、約17分間の通話記録の一部がオンライン上で公開されたものです。そのうち約9分28秒の音声が最初に広まりました。会話は通訳を介して行われ、ペートンターン首相はフン・セン上院議長にクメール語で挨拶し、健康を気遣う場面から始まります。
主な議題は、タイとカンボジアの国境問題、特にタイ東北部ウボンラーチャターニー県の「チョンボック国境検問所」に関するものでした。音声の中でペートンターン首相は、タイ第2軍管区司令官が「敵対勢力」であり、強硬姿勢を取ろうとしていると示唆。一方で、自身は国境開放に前向きであるものの、国防省や軍との調整に時間を要すると述べ、自身の立場を理解してもらうようフン・セン氏に働きかける様子が記録されています。
フン・セン氏は、この音声が自身の録音したものであることを認め、すでに約80人に共有したと発言。タイが望むなら完全版を公開する用意があると述べました。さらに音声の一部では、ペートンターン首相が「何か望むことがあれば、私に言ってください」「あなたを愛し、尊敬しています」と語り、厳しい国内政治情勢の中で自身の立場に同情を求めているようにも聞こえる内容が含まれていました。
ペートンターン首相は、音声が本物であることを認めつつ、第2軍管区司令官への言及はフン・セン氏を説得するための「交渉術」であったと釈明しました。そして、タイ政府が国の主権を完全に守っていることを強調しました。
音声の内容に対し、国益を損なうものだと強い批判が巻き起こりました。野党は、指導者の信頼性を損なうとしてペートンターン首相の辞任や議会の解散を求めました。
一方、副首相兼内務大臣であり、プームジャイタイ党の党首でもあるアヌティン・チャーンウィーラクーン氏は、プームジャイタイ党員が今回の音声流出の状況に「ハッピーではない」ことを認めましたが、辞任や議会解散を求める強い圧力に直面しているペートンターン首相に対し、「同情する」とも述べました。
アヌティン氏とプームジャイタイ党は、野党として全力を尽くすことを明確に表明。2026年度予算案を「否決する」準備があると述べ、野党としての役割を果たす姿勢を示しました。また、連立政権に復帰する可能性を問われると、アヌティン氏は「その段階は過ぎた」と述べ、野党としての確固たる決意を示しました。
プームジャイタイ党は声明を発表し、国の主権、領土保全、そしてタイの国益を守る軍と当局を、すべてのタイ国民と共にあらゆる手段で支持することを表明しました。これは、音声で第2軍管区司令官に言及されたことへの明確な反論と見られています。
また、プームジャイタイ党は、ペートンターン首相に対し、タイの威厳と名声、そして軍および国民との間の緊張関係に影響を与えた行為に対して責任を取るよう求めました。
この事件は、タイとカンボジアの関係に深刻な緊張をもたらしました。タイが抗議したにもかかわらず、カンボジアの強硬な姿勢に直面しています。また、ペートンターン政権の安定性にも影響を与え、国民の指導者に対する信頼危機を引き起こしました。





















