タイ反体制デモ、3カ月ぶり再開 国会前で改憲要求
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タイの首都バンコクで24日、軍政の流れをくむプラユット政権の退陣や王室改革を求める反体制デモが約3カ月ぶりに再開されました。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて3月下旬以降は控えられていました。憲法改正を審議中の国会の前で、民主的な憲法の制定などを要求しました。
国会は24日深夜、改憲を議論する第1読会で各党が提出した13件の改正案の採決を行いました。与党が提出した下院総選挙の投票方法の変更案のみを可決しました。デモ隊が要求する上院改革を含む他の改正案は否決されました。
24日は1932年に絶対王制から立憲君主制に移行する契機となる事件が起きた「立憲革命記念日」に当たります。デモ隊は早朝に王宮近くの民主記念塔に集まった後、複数の場所で集会を開きました。英字紙バンコクポストによると早朝時点で約500人が参加しました。
タイ警察はコロナ対策で集会は禁止されているとして解散を命じましたが、デモ隊は無視して夜まで続けました。大きな衝突はありませんでした。デモ隊は26日に再び集会を開くと予告しました。学生リーダーのパリット氏は「首相辞任から王室改革まで一歩ずつ進もう」と述べました。
同氏を含む複数のデモ隊指導者は王室に対する不敬罪で起訴されています。王室を侮辱しないことを条件に保釈されており、再び勾留される可能性があります。不敬罪は有罪なら事案ごとに禁錮3~15年が加重して科されます。