タイで洪水による全国的な被害 メコン川の水位上昇に備える
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タイでは8月以降、雨季の影響で特に北部を中心に大規模な洪水が発生しており、現在も状況は流動的です。チェンライ県、チェンマイ県など、複数の地域で河川が氾濫し、土砂崩れも発生しています。多くの家屋が浸水し、住民の生活に大きな影響が出ています。北部以外にも、東部の一部地域でも局地的な豪雨による洪水が報告されています。
タイの国家水資源局(Office of the National Water Resources:ONWR)は9月16日午前7時、全国の洪水状況の概要を発表しました。
1. 各地域の24時間降水量
・北部ナーン県:80ミリメートル
・東北部ウボンラーチャターニー県:118ミリメートル
・中央部スパンブリー県:3ミリメートル
・東部トラート県:154ミリメートル
・西部カンチャナブリー県:53ミリメートル
・南部ラノーン県:138ミリメートル
2. 9月12日から18日にかけてメコン川の水位が上昇する傾向
・北部チェンライ県チエンセーン郡:水位は約0.50~0.70メートル上昇すると予測し、堤防より約3.40メートル低い水位になると予測されます。
・東北部ルーイ県チエンカーン郡:水位は約3.00~3.60メートル上昇すると予測し、堤防より約0.50~1.50メートル高い水位になると予測されます。
・東北部ノーンカーイ県ムアン郡、ブンカーン県ムアン郡:水位は約3.50~3.90メートル上昇すると予測し、堤防より約1.50~2.50メートル高い水位になると予測されます。
・東北部ナコーンパノム県、ムックダーハーン県、アムナートチャルーン県、ウボンラーチャターニー県:水位は約2.00~2.60メートル上昇すると予測し、堤防より約0.50~1.30メートル低い水位になると予測されます。
同局は、メコン川沿いの地域の関連機関に対し、堤防決壊や低地の浸水に備えるよう要請しました。
3. 同局は、アユタヤ県に中央部水管理センターを開設し、チャオプラヤ川、パーサック川、サカエグラン川、タチーン川の流域における洪水対策の準備を進めています。また、中央部への流入する水量の動向を監視し、状況を評価し、迅速に対策を講じるとともに、緊急事態が発生した場合には国民に警告を発し、人的・物的損失を最小限に抑えることを目指しています。
4. 中央部の貯水池には、まだ満杯ではないと確認されました。また、11ヶ所の低地を貯水地として利用するための準備や、中央部で集中豪雨が発生した場合に備え、排水のための機械や器具の準備が進められています。
5. 現在、洪水の影響を受けている県は、メーホンソン県、チェンライ県、ナーン県、ターク県、スコータイ県、ピッサヌローク県、ペッチャブーン県、ルーイ県、ノーンカーイ県、アーントーン県、アユタヤ県、プラーチーンブリー県、サトゥーン県、合わせて13県です。
タイ気象庁は、北部と北東部の降水量が減少する一方で、南東部、中部、バンコクとその周辺地域、東部、南部では、局地的に激しい雨が続くとの予測を発表しました。
旅行を予定されている方へ
・渡航前に必ず最新の情報を確認してください。
・渡航先の状況に応じて、旅程を変更したり、渡航を延期したりすることを検討してください。
・現地では、政府の指示に従い、安全に過ごしてください。
在タイ日本国大使館や在チェンマイ日本国総領事館の公式サイトで、タイ北部における大雨・洪水への警戒について、最新の情報を確認できます。
在タイ日本国大使館:https://www.th.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
在チェンマイ日本国総領事館:https://www.chiangmai.th.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html