ポイ・サン・ロン(ประเพณีปอยส่างลอง)
一般情報
ポイ・サン・ロン(ประเพณีปอยส่างลอง)は、タイ北部メーホンソーン県を中心に毎年3月から4月にかけて行われる、タイ・ヤイ族(シャン族)の伝統的な儀式で、少年が仏教の僧侶になる準備として行われる出家式(出家セレモニー)です。
仏教では、出家を通じて徳を積み、自分自身や家族、地域社会に功徳をもたらすと信じられています。
儀式に参加する9~10歳の少年たちは「サン・ロン(ส่างลอง)」と呼ばれます。少年たちは、王子のような豪華な衣装を身にまとい、化粧を施されます。これは、少年たちが仏陀の幼少期や王子時代を象徴するものとされています。
儀式のハイライトは、少年たちが地域の村々を巡る行列です。行列では、少年たちは肩車に乗せられ、色とりどりの装飾や伝統音楽が賑やかに奏でられます。村の人々が行列を歓迎し、儀式の重要性を共有します。
鮮やかな衣装を身につけ、村中を練り歩く少年たちの姿は、まさにタイならではの美しい光景と言えるでしょう。
また、僧侶になる前の少年であるサン・ロンを家に招くと幸福が訪れると信じられており、人々は彼らを出迎え、お菓子などを振る舞います。
行列の後、少年たちは寺院に入り、髪を剃る儀式が行われます。その後、僧侶としての修行生活が始まります。期間は通常数日から数週間程度です。
ポイ・サン・ロンは、一般的にタイ北部メーホンソーン県を中心に毎年3月から4月にかけて行われることが多いですが、地域によって異なる場合があります。
この出家式は単なる宗教儀式にとどまらず、文化的なアイデンティティを守る重要な役割を果たしています。また、地域社会の結束を強める機会としても重要視されています。
タイ北部を訪れる機会があれば、ぜひメーホンソーン県を訪れて、タイの豊かな文化と人々の心の温かさを体験できるこの感動的な儀式を目にしてみてください。
開催期間の3月~4月頃は、タイの暑季(夏)にあたりますので、熱中症や暑さ対策には十分ご注意ください。