タイ国際航空の手荷物滞留 洪水だけでなく人員不足や外部委託など構造的問題を指摘
スワンナプーム国際空港で、タイ国際航空(THAI)が取り扱う乗客の手荷物が大量に滞留した問題をめぐり、大雨や洪水だけでなく、人員不足や地上業務の運営体制など、複数の構造的な問題が背景にあった可能性が指摘されています。
今回の問題は洪水だけが原因ではなく、以前から続いていた人員やグランドハンドリング(地上業務)の管理上の問題が、非常事態によって一気に表面化したとみられています。
スワンナプーム国際空港では、タイ国際航空のほか、Bangkok Flight Services(BFS)やAOT Ground Aviation Services(AOTGA)などが地上業務を行っています。
BFSやAOTGAが地上業務を専門としているのに対し、タイ国際航空は自社便に加えて、契約する他の航空会社の地上業務も担当しています。そのため、大雨や洪水によって従業員が出勤できなくなった際、限られた人員や設備に負担が集中したとされています。
また、タイ国際航空では、過去の組織再編に伴い従業員数が大幅に削減され、通常時の業務には対応できるものの、緊急時に対応するための予備人員が十分ではなかったとの指摘もあります。
さらに、緊急時にはサービスの遅延による高額な違約金を避けるため、契約している他の航空会社への対応を優先する必要があり、その結果、タイ国際航空の自社便が後回しとなり、影響を受けた可能性も指摘されています。
一方、地上業務の一部を外部の会社に委託していることも、今回の問題を検証する上で重要なポイントの一つとされています。
一部の委託会社については、タイ国際航空の経営陣や関係者と、株式保有や親族などを通じたつながりがある可能性が指摘されています。ただし、こうした疑惑については、株主情報や契約内容、関係者からの説明などを通じて、今後さらに確認する必要があります。
また、洪水発生時、一部の委託会社では従業員に対する報酬や福利厚生が十分な動機付けにならなかったとの指摘がある一方、他の航空会社では通常の最大3倍の報酬を提示して人員を確保したとの情報もあります。
このため、より高い報酬を提示した航空会社の業務に人員が移った可能性や、非常事態でも必要な人員を確保できる仕組みが契約上整えられていたのかについても、検証を求める声が上がっています。
今回の手荷物滞留問題は、大雨や洪水によって人員不足が一気に深刻化したことが直接的なきっかけとなりましたが、その背景には、人員削減や外部委託、限られた人員・設備での運営など、以前から存在していた問題があった可能性があります。





















