元国会議員に「VIP待遇」疑惑 殺人容疑者が警察署内で喫煙 警察官が席まで指紋採取に
タイ中部ノンタブリー県で、元国会議員のチャローン・リアオレーン容疑者が、ノンタブリー県行政機構(PAO)のトンチャイ・イェンプラサート首長を銃撃し死亡させた事件を巡り、逮捕後の警察の対応が「VIP待遇ではないか」として、社会から疑問や批判の声が相次いでいます。
事件は8月10日、ノンタブリー県行政機構の庁舎で発生しました。チャローン容疑者はトンチャイさんと面会した後、銃を発砲し、トンチャイさんと運転手を負傷させました。トンチャイさんは病院に搬送されましたが、その後死亡しました。チャローン容疑者は事件後、警察に出頭しています。
しかし、その後に公開された警察署内でのチャローン容疑者の様子が、大きな波紋を呼びました。
SNSや報道で拡散された写真には、チャローン容疑者が警察署内で椅子に座り、たばこを吸っている姿が写っていました。また、一部の場面では手錠をかけられていないほか、警察官が指紋採取のための器具をチャローン容疑者が座っている場所まで運び、その場で手続きを行っている様子も確認されました。
さらに、容疑者が報道陣の取材に応じる場面などもあり、こうした一連の対応についてネット上では、「一般の殺人事件の容疑者にも同じ対応をするのか」「元国会議員だから特別扱いされているのではないか」など、「VIP容疑者」として扱われているのではないかとの疑問が相次ぎました。
これに対し警察側は、チャローン容疑者を特別扱いしたとの見方を否定しています。
警察によると、チャローン容疑者は事件後、強いストレスや不安を抱えており、本人から喫煙したいとの申し出があったため、気持ちを落ち着かせ、事件の動機などについて詳しく供述できるようにする目的で喫煙を認めたということです。
手錠についても、捜査や身柄拘束の手続きに沿って使用しており、手錠をしていない姿が撮影されたのは、手続きの途中で一時的に外していた場面だったと説明しています。警察側は、チャローン容疑者の元国会議員という立場を理由に特別な対応をしたわけではなく、他の容疑者と同様に法律に基づいて手続きを進めていると強調しました。
一方、警察が事情聴取のためとして喫煙を認めたものの、警察署は法律で定められた禁煙区域に当たります。
このため保健当局は8月11日、報道写真などを証拠として調査を行い、警察署内で喫煙したチャローン容疑者に5,000バーツ(約2万4,000円)の罰金を科しました。また、禁煙区域内での喫煙を許したとして、ラタナティベート警察署側にも3,000バーツ(約1万4,400円)の罰金が科されました。
今回の事件では、銃撃事件そのものに加え、重大事件の容疑者に対する警察の対応が適切だったのかという点にも社会の関心が集まっています。警察は「特別扱いではない」と説明していますが、チャローン容疑者が警察署内で喫煙し、警察官が席まで指紋採取の器具を運ぶ姿などが広く拡散されたことで、容疑者への対応を巡る議論が続いています。





















