日本 タイ発便への税関検査を強化 薬物密輸摘発の急増を受け警戒
日本の税関当局は、タイから到着する航空便を対象に、乗客や手荷物に対する検査を強化しています。タイ発の航空便を利用した薬物密輸事件が相次いで摘発されていることを受けた措置で、タイは日本への違法薬物持ち込みの主要な出発地の一つとして警戒されています。
日本の税関当局の資料によりますと、2026年初めから確認された薬物密輸事件は約51件に上り、このうち11件、全体の約21.6%がタイの空港を出発地とする密輸事件でした。押収された薬物には、大麻、テトラヒドロカンナビノール(THC)を含む製品、覚醒剤などが含まれており、出発地はドンムアン空港、スワンナプーム空港、チェンマイ空港などでした。
特に5月から6月にかけては、福岡、那覇、仙台、名古屋の各空港で、大麻、THCを含む製品、覚醒剤、ケタミン、MDMAなどが相次いで押収されました。いずれのケースも、タイを出発地とする航空便に関連していたということです。
タイ政府は大麻政策を見直し、大麻を「管理対象ハーブ」として規制する方針を示していますが、日本側の資料では、タイは大麻の出発地としてアメリカに次いで2番目に多い国とされています。2025年に日本全国で押収された大麻は約1,531キログラムに達し、前年の3倍以上に増加しました。これにより、日本国内で押収された違法薬物の総量が、6年ぶりに3トンを超える一因になったとみられています。
日本政府によりますと、2025年に全国で押収された違法薬物は合わせて3,211キログラムで、前年から15%増加しました。特に大麻の増加が全体の押収量を押し上げており、大麻の出発地別では、アメリカが43%で最も多く、次いでタイが27%、ベトナムが8%となっています。
日本当局は、薬物密輸の増加について、SNS上の誤った情報などにより、一部の人々が大麻の危険性や違法性を軽視している可能性があるとみています。今後は、リスクの高い国・地域からの航空便に対する情報収集や水際対策、税関検査をさらに強化する方針です。
今回の対応は、一般の旅行者に対する渡航制限ではありませんが、タイから日本へ渡航する人は、通常より詳しい検査を受ける可能性があります。当局は、他人から荷物や小包を預からないこと、大麻やTHCを含む製品を日本へ持ち込まないことを強く呼びかけています。
在福岡タイ王国総領事館もこれまでに、タイ人旅行者に対し、他人から荷物や小包を預からないよう注意を呼びかけています。日本では薬物犯罪に対して厳しい法律が適用されており、容疑者は捜査や裁判の間、長期間身柄を拘束される可能性があります。有罪となった場合には、数年に及ぶ懲役刑や高額な罰金が科されるおそれもあります。





















