文部科学省に相当するタイ高等教育省 日本発の「KOSEN」モデルをタイの大学へ拡大 新産業を支える高度人材の育成を加速
タイ高等教育・科学・研究・イノベーション省(MHESI)は、日本の高等専門学校制度をモデルとする「KOSEN」型教育を、タイ国内の大学へさらに拡大する方針を明らかにしました。高度な技術力と実践力を備えた人材を育成し、次世代産業や新たな経済成長分野を支えることを目指します。
政府関係者によりますと、同省は日本側との協力を一段と強化し、KOSENモデルをタイの高等教育機関に導入・拡大していく計画です。KOSENは、日本で長年実績を持つ工学・技術系人材育成の教育モデルで、理論だけでなく実習やプロジェクト型学習を重視する点が特徴です。学生は早い段階から専門分野に触れ、産業界で即戦力となる技術者としての力を養います。
タイではすでに、キングモンクット工科大学ラートクラバン校(KMITL)やキングモンクット工科大学トンブリー校(KMUTT)などでKOSEN型の教育が導入されています。今回の方針では、その成果を踏まえ、今後さらに1〜2校の高等教育機関へ展開することが検討されています。
特に注目されているのは、半導体、宇宙産業、シンクロトロン、デジタル経済、衛星技術、IoT、防災関連技術など、タイ政府が今後の成長分野と位置づける産業です。これらの分野では、高度な専門知識と実践的な技術力を兼ね備えた人材の確保が急務となっています。
高等教育省は、KOSENモデルを通じて、単に大学卒業者を増やすだけでなく、産業界のニーズに直結する「実践型エンジニア」を育成したい考えです。さらに、日本側との協力により、タイで展開されるKOSEN型プログラムについて、日本の基準に近い形での質保証や認定を進めることも視野に入れています。
また、今回の協力は教育分野にとどまりません。タイと日本は、宇宙技術や衛星データの活用、気候変動への対応、災害警報システム、デジタル経済など、先端技術分野での連携も拡大していく見通しです。こうした取り組みは、タイ政府が掲げる新たな経済成長エンジンの形成にもつながると期待されています。
今回のKOSEN拡大方針は、タイの高等教育改革と産業人材育成を結びつける重要な一歩です。日本で培われた実践重視の教育モデルをタイの大学に根付かせることで、将来的には新産業を支える若い技術者の育成が進み、タイの競争力向上にもつながるとみられます。





















