タイの大型ドラマ『The Last Duel』に盗作疑惑が浮上 BL漫画との類似性と権利交渉をめぐり波紋広がる
タイのテレビ局「One 31」が制作する超大型歴史ドラマ『The Last Duel(หงสาวดี)』をめぐる論争が拡大しています。発端となったのは、同作品の内容があるBL漫画『アヨタヤ・エヤワディ(อโยธยาเอยาวดี)』と類似しているのではないか、という疑惑でした。この問題はSNS上で急速に拡散し、「#แบนหงสาวดี」(ホンサワディをボイコット)というハッシュタグがトレンド1位となるなど、大きな関心を集めています。
今回の論争において特に注目されているのは、制作側が過去に当該漫画の作者へ映像化権の購入を打診していたという事実です。しかし、交渉は最終的に成立せず、契約は見送られました。一部報道によれば、交渉条件の中に作者側にとって不利と受け取られる内容が含まれていたとも指摘されています。この経緯により、視聴者の間では「無関係であれば、なぜ最初に権利取得を試みたのか」という疑問の声が上がっています。
さらに、作品内容についても議論が続いています。歴史上の人物であるナレースワン王とマハーウパラーチャの関係性の描写や、特定の演出(例えば香りに関する表現など)が漫画作品と共通していると指摘され、「単なる歴史的題材の共有を超えているのではないか」との見方も出ています。
これに対し、制作を担当する放送局は公式声明を発表しました。同声明では、本作はあくまでタイの歴史に基づいたオリジナル作品であり、特定の漫画を原作としたものではないと強調しています。また、漫画作者への接触については「将来的な誤解やトラブルを未然に防ぐための措置」であったと説明し、最終的に権利購入には至らなかったものの、交渉過程に対する補償は行われたとしています。
しかし、この説明に対しても世論の反発は収まっていません。多くのネットユーザーは、声明が作品の類似性そのものに十分に答えていないと感じており、疑念が完全に払拭されたとは言い難い状況です。また、大手制作側と個人クリエイターとの関係性という観点から、「創作者の権利保護」や「業界の公平性」といった問題にも議論が広がっています。
今回の一連の騒動は、単なる作品間の類似性をめぐる問題にとどまらず、「インスピレーション」と「盗用」の境界線、さらにはコンテンツ業界における倫理や権利意識の在り方を問い直す事例として、今後も注目されるとみられます。





















