タイの有名心霊スポット ソンクラー県の「バーン・ループ・イム」(บ้านรูปยิ้ม)
ソンクラー県の「バーン・ループ・イム」(บ้านรูปยิ้ม)
タイ南部ソンクラー県ハートヤイ郡には、かつて地元の若者たちの間で有名になった不思議な都市伝説があります。
それが、ラートウティット通りソイ7の奥にあった、通称「バーン・ループ・イム(บ้านรูปยิ้ม)」です。日本語にすると「笑う写真の家」という意味で、家の前に掲げられていた一枚の女性の白黒写真を巡る怪談として知られています。
■ 「笑う写真」にまつわる伝説
家の前には、ある女性の白黒写真が掲げられていました。
女性の生涯については複数の説があります。一説では、外国へ行ったまま戻らない夫を待ち続け、悲しみのあまり亡くなったとされます。別の説では、夫の帰りを待ちながら自ら命を絶ち、死の前に「夫が戻ってきたときに分かるよう、自分の写真を家の前に飾ってほしい」と家族に頼んだと伝えられています。
いずれも真偽は確認されておらず、長年語り継がれてきた都市伝説です。
■ 目撃される怪異
この写真を有名にしたのが、「見る人によって女性の表情が変わる」という噂です。
ある人には優しく微笑んでいるように見える一方、別の人には突然顔をしかめたり、怒ったような表情に変化したりすると語られていました。
1990年代には、この噂を確かめようと多くの若者が夜に家を訪れるようになり、ハートヤイでは有名な「肝試し」の場所となりました。
また、写真をからかったり挑発したりした人が、その後体調を崩したり、眠れなくなったり、交通事故に遭ったという怪談もあります。中には、災いを恐れて再び家を訪れ、女性の霊に謝罪したという話も残されています。
■ 関連するタイの幽霊
女性が自ら命を絶ったという伝承に基づけば、突然あるいは非業の死を遂げた人の霊を指す「ピー・ターイホーン(ผีตายโหง)」と結び付けて解釈することもできます。
しかし、女性の死因そのものに複数の伝承があるため、「バーン・ループ・イムの霊=ピー・ターイホーン」と断定することはできません。
むしろこの怪談の最大の特徴は、幽霊そのものが姿を現すことよりも、一枚の写真が見る人によって異なる表情を見せるという「呪われた写真」に近い都市伝説にあります。
■ 現在の状況
かつて家の前に掲げられていた女性の写真は、現在では取り外されています。
そのため、1990年代のように若者たちが「笑う写真」を見に集まる光景はなくなりましたが、その奇妙な写真と女性を巡る物語は、現在もハートヤイを代表する都市伝説のひとつとして語り継がれています。
「笑っているのか、それとも怒っているのか――」。
見る人によって表情が変わるという一枚の写真は、今なお多くのハートヤイ市民の記憶に残っています。





















