タイで有名なオバケの話 ピー・トゥアイゲーオ(ผีถ้วยแก้ว)
ピー・トゥアイゲーオ(ผีถ้วยแก้ว)は、タイの学生や若者の間で広く知られている降霊遊びの一種です。特定の妖怪や幽霊の名前ではなく、紙に書かれた文字盤と小さなグラスを使い、霊と交信を試みるとされるオカルトゲームを指します。その性質は日本の「こっくりさん」や欧米の「ウィジャボード」に非常によく似ており、現代タイを代表する都市伝説のひとつとして語り継がれています。
■ 遊び方と現象
「ピー・トゥアイゲーオ」は直訳すると「小さなグラスの霊」という意味になります。
参加者たちは紙にタイ文字や数字、「はい」「いいえ」、「入る」「出る」などを書いた文字盤を用意し、その中央に小さなグラスを伏せて置きます。全員が指先を軽くグラスに添えながら霊を呼ぶ言葉を唱え、質問を行います。
参加者の間では、降霊に成功すると誰も力を加えていないにもかかわらずグラスが動き出し、文字を指し示して質問に答えると信じられています。そのため、学校や友人同士の集まりなどで行われることがあり、数多くの怪談や体験談が生まれてきました。
■ 語り継がれる禁忌(タブー)
ピー・トゥアイゲーオには、地域やグループによってさまざまなルールが存在しますが、特によく語られる禁忌として以下のようなものがあります。
・儀式の途中で勝手に指を離してはいけない。
・霊に対して失礼な質問をしてはいけない。
・自分や他人の死期について尋ねてはいけない。
・儀式の終了時には必ず「出る」の位置までグラスを移動させ、正式に終了させる。
こうしたルールを破ると、呼び出した霊がその場に留まったり、参加者に不幸が起こったりすると信じられており、現在でも怪談の定番として語られています。
■ 起源と普及
ピー・トゥアイゲーオは比較的新しい都市伝説と考えられており、20世紀後半から若者文化の中で広まったとされています。
欧米のウィジャボードや日本のこっくりさんなどの降霊遊びの影響を受けながら、タイ独自のオカルト文化や霊的信仰と結びつき、学校や学生コミュニティを中心に広く普及しました。
また、タイ社会には古くから精霊信仰や霊媒文化が存在するため、若者たちの間でも「本当に霊と交信できるかもしれない」という感覚とともに受け入れられてきました。
■ 関連作品(映画・ポップカルチャー)
ピー・トゥアイゲーオは、タイのホラー映画や学園怪談ドラマにおいて頻繁に登場する定番モチーフです。
特に学校を舞台にしたホラー作品では、生徒たちが好奇心から降霊遊びに挑戦し、その結果として不可解な怪奇現象や呪いに巻き込まれていくという展開が数多く描かれています。
また、学園ホラーアンソロジードラマ『ThirTEEN Terrors(เพื่อนเฮี้ยน..โรงเรียนหลอน)』のような作品群では、学校にまつわる怪談や降霊儀式が重要なテーマとして扱われており、ピー・トゥアイゲーオも現代タイの若者文化を象徴するオカルトモチーフのひとつとして認識されています。
現在でもSNS上では体験談や怪談が数多く共有されており、「好奇心と恐怖の境界」を象徴する現代タイ都市伝説として高い知名度を保っています。





















